column 2015.2.26
 
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鹿児島ガイド1 車で巡る、鹿児島市街地<冬編>

冨ヶ原陽介(鹿児島R不動産/Nuff Craft 株式会社)
 

鹿児島を訪れる方々に鹿児島R不動産メンバーによるローカルガイドをお届けします。

冬のこの季節、南国鹿児島とはいえやはり寒いです。夏が魅力の鹿児島ですが、冬でも充分楽しめます。そこで今回は週末旅行で廻れる鹿児島のおすすめポイントを、鹿児島市街地とその近郊を中心にご紹介します。

鹿児島の旅は車がお勧めです。

鹿児島空港でレンタカーを借りたらすぐに高速道路にのるのではなく、ここはまずゆっくり国道で鹿児島市街地を目指しましょう。車を30分ほど走らせ海沿いに出ると錦江湾にそびえ立つ桜島の山容が現れます。桜島は車を進めるごとにその姿を変えていき、海の風景と併せて旅情を掻き立てられ、「鹿児島だ!」と感じるはずです。この素敵な風景で迎え入れてくれる国道10号線は市街地に到着するのが30分遅くなっても必見です。今の季節であれば珍しい桜島の冠雪を見ることができるかもしれません。

◼︎中川家

鹿児島市の中心に入る手前に市街地唯一の海水浴場「磯海水浴場」があります。この海水浴場とセットになっているのが鹿児島のソウルフード「両棒餅」。

「両棒餅」は甘い味噌ダレをたっぷりとかけたおもちのことで侍の刀に見立てた2本の竹串を差している姿が名前の由来と言われています。

「中川家」は慶応元年創業の老舗。昔ながらの店構えと雄大な錦江湾の景色が何とも言えないこの店の魅力。店の前を通るたびに、子供の頃に夏休みに入ると海水浴と同じくらい「両棒餅」を楽しみに週末を待っていたことを思い出します。

住所:鹿児島市吉野町9673
電話:099-247-5711
営業時間:10:00~18:00(7月~8月は19:00まで)
定休日:不定休

■「レトロフトチトセ」

2012年のオープン以来、常に話題を提供し続け、鹿児島駅エリアのランドマークになりつつあるこのビルは1Fに古書店にデザイン事務所、呉服と和装小物を扱う雑貨店に農園レストラン等が混在。2Fにはギャラリーや、創作郷土菓子「ふくれ菓子」のショップが。そして驚きのトイレ! 定期的にイベントや展示会も開催し、まだまだこれからも面白くなりそうです。鹿児島の今と将来の楽しい可能性を感じさせる空間に県内外から人が集まってきます。

住所:鹿児島市名山町2-1
営業時間:平日11:00〜19:00/日曜日11:00~16:00
定休日:月曜日
※営業時間・定休日は各テナントによって若干違いがございますので、それぞれのHPでご確認ください。
WEB:http://www.retroftmuseo.com/

■「Kiki」

お邪魔したこの日は、豆乳とカリフラワーのスープ、チキンと野菜のマリネのくちぶえサンドイッチ。旨い!

昨年の12月20日にオープンしたサンドイッチとスープのお店、「kiki」。

オープンしてまだ間もないというのに、限定20食のランチメニュー、「くちぶえサンドイッチ」はあっという間に売り切れてしまう程の人気。
営業は月~土の12:00~パンがなくなるまで。夜は事前に予約をすれば、こだわりのワインとエスニックのディナーも楽しめます。

お店のある「名山町」は上に書いた「レトロフトチトセ」や、日が暮れると提灯に灯がともりなじみの顔たちが集まり出す「名山堀(路地裏飲み屋街)」があり、昼も夜も面白いエリア。鹿児島にきたら是非まち歩きしてほしい。

住所:鹿児島市名山町7-1
電話:099-248-7488
営業時間:10:00~19:00(要予約で夜の営業も可能)
定休日:日曜日

■「天然温泉湯乃山」

意外と知られていないかもしれませんが、鹿児島は県庁所在地の温泉数全国1位なのです。鹿児島市街地に沢山ある銭湯のほとんどが温泉で、市民のコミュニケーションや癒しの場として愛されています。「天然温泉湯乃山」は天文館エリアと市内北エリアの丁度境界にある城山に位置し、家族湯有りの源泉かけ流し(アルカリ性単純温泉)という嬉しい温泉。ホテルのお風呂もいいけれど、せっかくの鹿児島なので、少し足を延ばして天然温泉に浸かってみては。

住所:鹿児島市城山町12-1
電話:099-227-2641
営業時間:7:00~22:00
定休日:火曜日
料金:500円(貸切風呂も同料金)

■「一保(いっぽう)」

鹿児島と言えば黒毛和牛に黒豚の印象ですが、同じくらい地元に愛されているのが鳥料理です。3人寄ればどこの地鶏屋の刺身が美味いとか、あそこはモモは美味いけどささみがいまいちとか鳥談義が始まることもしばしば。僕も子供の頃よく親父の晩酌の横に座り地鶏の刺身にモモ焼きとお裾分けをせがんだものです。

鹿児島で創業67年の鳥料理の名店「一保」。
地鶏の刺身、鳥皮酢、串焼きに唐揚げとシンプルだけど外せないメニューが並びます。
特に塩だれに付け込んだ唐揚げはさっぱりとしていて絶品。これがビールに合いすぎてついつい食べ過ぎてしまいます。もちろん芋焼酎と一緒に鳥刺(地鶏の刺身)も必須です。

住所:鹿児島市樋之口町2-2
電話:099-224-9761
営業時間:18:00~24:00
定休日:第1・3・5日曜日

■「一代(いちだい)」

これぞ鹿児島の一品料理の店! と考えると、僕の中ではここです。場所は上の「一保」から徒歩5秒。近い! おすすめは季節限定の大ぶりなカキフライ、市場から仕入れてくる分厚く切られた新鮮な刺身、やさしい味のおでん、そして〆の名物、茶碗に盛られたごはんに濃厚な味噌汁と一緒にたべる大隅産うなぎのうな重。〆でうな重?? でもそれが意外とすんなり入ります。メニューに金額は書いてないので最初は少し心配になりますがそこはご安心を。とても家庭的ですよ。

住所:鹿児島市樋之口町10-40
電話:099-224-0751
営業時間:18:00~24:00
定休日:不定休

■「市場食堂」

朝5:00~昼15:00まで営業。朝獲れの新鮮な魚をネタに市場で働く漁師さんはもちろん一般の方にも提供。今では、8割のお客さんが一般のお客様。ラーメンからカレーライスまで食堂らしくメニューは豊富ですがやはり場所柄海鮮丼や刺身定食が1番人気で、魚のネタが売り切れた時点で……ではなく、シャリが切れた時点でオーダーストップ。
魚市場で営業するだけあって魚のネタには困らない。

住所:鹿児島市城南町37 鹿児島市魚類市場内
電話:099-224-9864
営業時間:5:00~15:00
定休日:日・祝日

■「桜島」

やはり鹿児島を訪れたなら桜島は外せません。
標高1107m周囲55kmnのこの山は鹿児島の象徴で、市街地から見る桜島は意外に近くて、火山と都市がこれだけ近接している例は世界でも稀だとか。この島に市街地から渡るには桜島フェリーを使って15分程、お勧めは今の季節ちょっと、いや、だいぶ寒いですが、風邪を引かない範囲で船の上では室内ではなく屋外にいてください。海の上から見える桜島は、視界を遮るものが無く、勇壮さがより一層増して見えますし、錦江湾にも船を追いかけるイルカや、ぷっかりと浮かぶ潜水艦を見つけることができたりします。
桜島についたら、楽しみ方は色々。桜島ガイドウォークや海中温泉探索、桜島大根の収穫体験までありますが、溶岩道路をドライブするだけでも溶岩のゴツゴツした原始的な景色や火山の裾野での暮らしの風景に非日常を感じられるはずです。

■「Motheruba(マザルバ)」

手前味噌になりますが、鹿児島R不動産の本拠地です。
場所は鹿児島市街地から車で20分の春山町の山の上。5年前にこの土地と出会い、鹿児島の面白さを発信したくて、鹿児島の魅力的な人たちを繋げたくて精一杯無理して手に入れた場所です。併設された鹿児島の「モノ」を発信するショップの「nuff」には鹿児島の伝統工芸品やクラフトマンの作品を中心に、僕たちのフィルターを通して選んだ物とオリジナル家具や雑貨が置いてあります。それともうひとつの併設店舗・鹿児島の「食」を発信するカフェの「Matheruba cafe」は鹿児島食材で作ったバーガーと鹿児島の魅力的な物産品を。様々なイベントやワークショプも開催しております。

住所:鹿児島市春山町1509-10
電話:099-248-8463
営業時間:11:00~18:00(ラストオーダー17:30)
WEB:http://www.matheruba-cafe.com

■「たぬき湯」

市内北エリアから車で10分ほどの距離だが山に囲まれ雰囲気が抜群で、浴場も広く、露天風呂有りと温泉好きのツボをしっかりと押さえた鹿児島市屈指の人気温泉です。多くの温泉は源泉をひとつしか持たないので、湯量が足りなくなり、どうしても加水・加熱・循環を行う場合もありますが、たぬき湯は他の温泉には殆ど無い源泉が2ヶ所という特徴を持つため、贅沢にも100%の天然かけ流しをおこなっています。お湯は単純温泉(低長性、弱アルカリ性、高温泉)のこれもまた珍しいエメラルドグリーンのお湯で泉質は抜群です。温泉以外も飲料可能な地下水を使用した美味しい食事など。熱すぎず長く浸かれる適度な温度なので体の芯から温まり、溜まった疲れを癒す効果は抜群です。

住所:鹿児島市伊敷町4467
電話:099-229-2607
営業時間:6:00~24:00(最終受付23:00)
WEB:http://www.tanukiyu.jp

今回は鹿児島市街地及びその近郊を中心におすすめポイントをお届けしましたが、鹿児島の魅力はまだまだこんなものでは有りません。2回目はお勧めの移住先とか離島とかの情報をお届けできればと思っております。それではまた!

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